高価な本を買った。
しかし使えるカネがそうあるわけではないから、選んで買うし、高いものは基本的に買わない。ハードカバーの上下巻なんて、まず買わない。しかしながら、たちの悪い女に惚れてしまうが如く、買いたい衝動が押さえられないことがある。
今日買ってしまった本がそれだ。作者は現代アメリカ文学の旗手的存在だという。
そして天才の称号をほしいままにしてるという。
運命の出逢いなのか、勘違いなのか。それは触れ合ってみないとわからない。
「われらが歌う時」(リチャード・パワーズ著・新潮社)
タイ米、いや大枚3360円(税込)をはたいての買い物である。
問題なのは上巻だけでこの価格であることだ。
下巻を読むには、さらに同じ額を払わなくてはならない。
(挫折が怖くて、下巻は買えなかったのだ)
本来なら読んでから記事をアップすべきなのだろうが、高い本を買っちまってテンションが上昇してる。
言いたいことだけ書いておこう。
腰巻きやら、カバー裏のあらすじやらを読むと、この作品、どうも音楽小説らしい。
音楽小説というだけならたぶん買わなかった。
テーマとしてアメリカの人種差別を取り上げているらしい。
興味はあるが、これでも買わなかっただろう。
さらにもうひとつのテーマとして、「時間の本質」を扱ってるという。
時間テーマのSF大好きな身としては反応するしかない。
ここにやられたということだ。
時間だと!
ううう、買う!!
音楽、人種差別、時間。
これらをどう料理するのか。
ページをながめると、その密度に圧倒される。
よく見ると本の厚さは普通だが紙は薄い。人口密度ならぬ文章密度が高そうだ。
すぐには読めないが、腰を据えてじっくり読むことにしよう。
最初のほうに「たちの悪い女に惚れてしまうが如く」と書いたが、私がデートした