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「チェケラッチョ!!」

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チェケラッチョ!!~青春はラップさ~
チェケラッチョ!!
透、暁、哲雄は高校3年生。進路も決まらないまま、退屈な日々を送っていた。ある日、バイト先の水族館で年上の美女、渚と出会った透は、ひと目で恋に落ちた。同じ頃3人は、幼なじみの唯に連れられていったライブで、人気バンド「ワーカホリック」のクールなステージを目の当たりにし、自分たちもバンドを組んでラップに挑戦することに。お調子者の暁のお膳立てで、「ワーカホリック」のライブで前座を務めることになるが…。

高校生とかが何かにがんばる姿を描いた映画を「部活モノ」と呼ぶことにしている。「スウィングガールズ」や「シムソンズ」がその「部活モノ」になる。「がんばっていきまっしょい」「ウォーターボーイズ」も同じ。正確には部活動ではなく、任意団体だったり友達集団だったりするが、個人的な分類なのでこだわることもないだろう。

パターンはだいたい同じなのはご存知のとおりである。
一生懸命になることを見いだせない普通の男の子・女の子が、ある日なにかに出会い挫折を経て仲間と共に結果を見いだす。淡い恋も必須アイテムだ。

ビッグバンドジャズを扱った「スウィングガールズ」やカーリングの「シムソンズ」は素直に感動できたのだが、「チェケラッチョ!!」は今一歩感動が薄く思えたのは何故だろう。主人公が男だから?いやそうではない。おそらく困難を乗り越える過程があっさりしすぎていたからだろう。

全くの初心者がギター、ベース、ドラムのバンドとして、一ヶ月もたたないでセミプロの前座に立つというありえない設定にそもそも無理がある。そして拍子抜けするほど簡単に楽器をあきらめ、サンプリングマシンを使う方向に簡単に切り替えてしまった。今どきの子らしいといえば言えるが、ここらへんが違和感の元になるんだろうなあ。

「スウィングガールズ」や「シムソンズ」も突っ込みどころはあるが、違和感の無い程度のストーリーになってる。主人公が女の子だから?カワイイ女の子には甘い私だが、そうではない。彼女たちなりの苦悩がきちんと描いてあったから、その後の展開を納得して見ることができたのだ。

クライマックスの野外ライブ。それなりに感動的ではあったが、身内だけのライブになってしまったし。時間をかけて練った脚本にすれば、もっと深みが出せたのかと思うと少々残念。
でも楽しい映画であることは断言しておく。沖縄の美しい海と空、素敵な脇役の面々が観る者の気持ちを明るくしてくれる。こんな高校生だったら面白いだろうなと絶対思わせてくれる。ついでにKONISHIKIと透(市原隼人)たちがシンクロで泳ぐのはサービスなのか?

イチ押しのシーンは、野外ライブの準備を終えて帰る道で、哲雄(平岡祐太)が唯(井上真央)に告白するところ。暁(柄本佑)の「何年友達やってるとおもってるんだよ」との一言が、せつないけどいいですね。

惜しむらくは井上真央の役柄が「キッズウォー」や「花より男子」の延長線上だったこと。
でも許してしまおう。カワイイ女の子に私は甘いのだ。
by minami18th | 2006-05-03 23:56 | 砂に足跡