「強奪 箱根駅伝」
著者は安藤能明。正月恒例の箱根駅伝を題材にした傑作サスペンスです。
神奈川大の津留康介は4年生になり、初めて駅伝出場の座を射止める。ところが、大会直前の30日、女子マネージャーの水野友里が誘拐されるという事件発生。
誘拐犯人から届いた要求は、津留康介を代表選手から外せというもの。犯人の動機は何か。その目的は、一体何なのか。
犯人像が不明のまま、TV局まで巻き込み、2日の箱根駅伝がスタートします。
生放送までジャックし関係者を嘲弄する犯人。中継を死守しようとするTV局。犯人逮捕を最優先しようとする警察。三者は対立しつつストーリーは展開してゆく。
そして事件に困惑しつつも優勝を目指す神奈川大チーム。
毎年ついつい見てしまう箱根駅伝。TV中継だけでは知りえない知識を得ることのできる小説です。大学のチームの様子とか、中継スタッフの奮闘ぶりとか、読んでおくと箱根駅伝が一層楽しくなると思います。