カテゴリ:三流読者の走り書き( 137 )

a0006144_2013790.jpg「刀城言耶」シリーズである。瀬戸内にある「鳥坏島(とりつきじま)」へ秘儀を取材しに行った小説家刀城言耶は、島の断崖絶壁で行われる「鳥人の儀」に立ち会うことになる。18年前、一人の少女を除き、7人もの儀礼に立ち会った人間が行方不明になってしまってから、この儀式が行われることはなかった。儀式を執行する巫女は、18年前に生き残った女性、鵺敷(ぬえじき)朱音。18年前の儀式では、彼女を残して7人の人間が消えてしまったのだ。そしてまた今回も、断崖絶壁の密室から巫女が消え…


兜離(とり)の浦に浮かぶ孤島、鳥坏島(とりつきじま)。この島では、過去何度かにわたり「鳥人の儀」と呼ばれる儀式が行われてきた。
だが18年前、一人の少女を除き、7人もの儀礼に立ち会った人間が行方不明になってしまってから、この儀式が行われることはなかった。そんな「鳥人の儀」が再び行われることを聞きつけた、小説家で怪異蒐集家の刀城言耶。おまけに儀式を執行する巫女は、18年前に生き残った女性、鵺敷(ぬえじき)朱音なのだという。晴れて儀式に立ち会うことを許された刀城言耶は、同じ立会人たちとともに鳥坏島へと向かう。儀礼の最中に謎の消失を遂げる朱音。そして後を追うようにして次々と消えていく立会人たち。大鳥様の奇跡か?それとも鳥女(とりめ)と呼ばれ怖れられる化け物の仕業なのか?

事件関連の配置とか様子がわかりにくい。ここいらへん何とかならんものかなぁ。
オチはわからないこともない。人によってはバカミス扱いするかも。
18年前の恐怖の記憶の仕掛けはわからなかった。
謎は十分に魅力的。A級作品とは言えないが楽しめました。

おし、次は「首無の如き祟るもの」だ。
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a0006144_22311919.jpg作家・三津田信三は龍巳という男から、彼が体験したという“百蛇堂”を巡る話を聞かされる。三津田はその話に深く興味を持ち、この話をひとつの企画として出版しようと考える。しかし、三津田を含めたその原稿を読んだものが次々と怪異な現象にあうことになる。三津田はその怪異現象の原因をつきとめようとするのだが・・・


この作品が「蛇棺葬(じゃかんそう)」の続編だというのを知らなかった。
しかたない、後で読むとするか。

すっかり三津田ホラーに惹かれてしまった。
でも夜中に一人で読むのは怖いです。
異界に巻き込まれる主人公の様子が怖いです。
マーモウドンの正体が見えないだけに怖い。
ラストに用意されたミステリ的どんでん返し。
納得ゆくゆかないは個人の感覚。
恐怖のざわざわ感を楽しめることは間違いない。
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a0006144_1542330.jpg「ぼうず、おかえり…」12歳の少年・棟像貢太郎は、近所の老人が呟く言葉に不吉な予感を覚えていた。両親を事故で亡くし、祖母と越してきた東京郊外の家。初めての場所のはずなのに、知っている気がしてならないのだ。そして、怪異が次々と彼を襲い始める。友達になった少女・礼奈とともに探り出した、家に隠された戦慄の秘密とは?

ひさびさにホラーです。
この作家には珍しく文庫の書き下ろし。
微妙に他の作品とつながっています。

ホラー映画はまったく受け付けない私ですが、小説のホラーは大好き。
この作家の作品、最初から読んでみようと思いました。
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a0006144_0541594.jpg「家の中に変な男が棲んでいるのよ」 念願のマイホームに入居して二カ月して妻が言う。そんなバカな…。不況、リストラ、家庭不和…。現代ニッポン人が抱える悩みを、風刺とユーモアで鮮やかに捌いた新奇想小説集。


「床下仙人」
自分の家の床下に見知らぬ仙人が住み着いていた。
不条理な世界への着地。わかりやすい安部公房テイストかな。
筒井康隆的なオチを期待したが、外れてしまった。

「てんぷら社員」
会社の社員の弱みをなんでも知ってる謎の男。
SFですね、これは。ミヤベなら、もっと深みのあるオチに仕上げそう。

「戦争管理組合」
海外赴任から帰ってきて自宅のあるマンションのロビーはいると、いきなり女に猟銃を
つきつけられた。男社会に宣戦布告した女性たちの話。
「となり町戦争」を思い出した。2時間ドラマになりそうです。

「派遣社長」
派遣社員ではなくて、社長を派遣してもらおうという話。
これも2時間ドラマ向けのネタになりそう。

「シューシャイン・ギャング」
靴磨きの押し売りを思いついた女の子と、失業中の中年親父がタッグを組む話。
磨けばもっと面白い話になるのに。もったいない。
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a0006144_12465533.jpg英都大学推理小説研究会(EMC)のメンバー ・ 有栖川有栖,有馬麻里亜,織田,望月の4人は、大学に顔を見せない部長・江神二郎の部屋の痕跡から「神倉」へ行った事に気付き、部長を追って「神倉」へと旅立つ。
そこは新興宗教団体「人類協会 」の聖地であり、うら若き女性「女王 」が代表を務める話題の村であった。
その「村」の中心にあるのは教団の「 城 」。その「 城 」を訪問し江神部長の安否を確認したものの、5人は思いがけず殺人事件へと巻き込まれていく。


多くを語るのは無粋。
ロジックの塊のような一冊。故に読者を選ぶ作品でもある。
そこかしこに鏤められた伏線が、終盤で見事に収束。
絢爛たる論理に酔う。ミステリの醍醐味ここにあり。
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a0006144_23122458.jpg日本推理作家協会賞受賞作。
作品の舞台は鳥取県紅緑村。千里眼の祖母万葉、中国地方を制圧したレディースの頭から漫画家へと転身した母毛毬、そして何者でもない私瞳子。戦後から高度経済成長の時代、そしてバブルを経て平成の世に至る現代史を背景に、旧家に生きる三代の女たちと、彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を鮮やかに描く。


第一部 最後の神話の時代。
1953年から75年。「山の民」に置き去られた赤ん坊は、製鉄業で財を成した赤朽葉家の義母タツに望まれて輿入れし、「千里眼奥様」と呼ばれる祖母・赤朽葉万葉となる。黒菱造船の娘、黒菱みどりとの別れと友情、職工頭の豊寿への思い。
第二部 巨と虚の時代。
1979年〜98年。高校時代に中国地方の暴走族を制圧し、卒業後、連載十二年の人気漫画家になる万葉の娘、丙午生まれの母・赤朽葉毛毬。豊寿の姪で、親友のチョーコへの思い。万葉の子どもである長男の泪、長女の毛毬、次女の鞄、次男の孤独。そして同居人の寝取りの百夜。。
第三部 殺人者。
2000年〜。祖母や母は違い、平凡で語るべき物語がなく申し訳なく思っている語り手の私である赤朽葉瞳子。ある人が死の間際に遺した言葉「人を、一人殺した」に動かされ、祖母や母から聞かされてきた赤朽葉家の出来事をつづり、誰をなぜ殺したのかを探る。

二段組300ページを超える長編。しかし読み始めると引き込まれて、まったく飽きない。地方都市の産業の発展の様子や、その時代の移り変わりが生き生きと描かれ、物語はドラマチックに展開。巻を置くのがもったいない面白さ。赤朽葉家の三代の女たちの存在感は見事です。今年読んだ小説の中で最高ランクの面白さでした。
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このミステリーがすごい2008
「このミステリーがすごい! 2008年版」を本日購入。
20周年記念の感謝価格で500円。
正確には499円で購入。
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国内1位は予想どおり「警官の血」(佐々木譲)でした。
読んだわけではありません。上下で各1600円はためらう。
第2位は「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹)。
第3位は「女王国の城」(有栖川有栖)。
1点差での1〜3位なので、今年は1位が3作品と言ってもいいでしょう。


佐々木譲は私が23歳のときに「鉄騎兵、跳んだ」を読みました。
オール読物新人賞の受賞作だったと記憶してます。
モトクロスを題材の作品で、すんげー面白かった。
入手困難ですが、この受賞で再版される可能性が高まりました。
未読の方、おすすめです。

あとは「ベルリン飛行指令」も面白かった。
つい最近、文庫で「笑う警官」を購入してあるので、読まなくては。

このミスのランキング上位には、バンドの姫様が貸してくれた
宮部みゆきの「楽園」も8位に入ってました。順当なランク入りでしょう。

姫様、もし「警官の血」を買ったらぜひ貸してください。
かわりに7位の「サクリファイス」(近藤史恵)と「赤朽葉家の伝説」(桜庭一樹)を
お貸ししますから。


よけいなことながら、100ページに誤植を発見。
・「ビター・ブラッド」と「越境捜査」のタイトルが入れ違い。
・今野敏の昨年の作品が「制服捜査」になってるが、「隠蔽捜査」の間違い。
(「制服捜査」は佐々木譲の作品)

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