「鷺と雪」(北村薫)

「鷺と雪」(北村薫)
女子学習院に通う士族令嬢・花村英子と女性運転手〈ベッキーさん〉が活躍するシリーズも、第3弾。ついに完結です。昭和10年秋、廉価で操作が簡単なカメラ〈オリムピック〉が発売され、英子の級友たちもこぞって手に入れた。だが小松子爵家の千枝子が初めて撮影した写真の中に、日本にいるはずのない婚約者が写っていたという。英子はその謎を解決できるのか? そして年も明けた昭和11年の、ある雪の朝。英子は運命の電話をかけてしまう……。時の歯車が動くように、人はただその道を歩むのみ。
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ベッキーさんシリーズの完結。
9編の短編、すべてはこのラストシーンを書きたいためだったのだろう。
さまざまなエピソードが、パズルのピースをはめ込むように、ぱちんぱちんと
合わされてゆく。快感でもあり寂しくもある。
英子さんが電話で話した相手の、その後の運命を我々は知っている。
せつない思いにかられるが、歴史を変えることはできない。
英子さんやベッキーさんは、これから先、どうなるのだろう。
小説の人物の行く末、知りたくもあり知りたくもなし。
直木賞受賞の本作であるが、前2作があってこその「鷺と雪」。
順を追って読まなければ、8割がた意味は無いと思うのだが。
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