「安政五年の大脱走」(五十嵐貴久)

a0006144_14471090.jpg舞台は安政五年。若き日の井伊直弼の不遇な時代の描写から物語は始まる。
姫へのかなわぬ恋をあきらめた直弼だったが、権力を握った大老直弼はその姫の娘美雪に出会う。
美雪をおのれの側室にするがため、南津和野藩に無理やり謀反の疑いを掛け、南津和野藩士51人と姫の美雪を、脱出不可能な断崖絶壁の山頂に閉じ込めてしまう。
美雪姫が直弼のもとにくれば藩士たちは見逃してやってもよいという直弼の横暴に、藩士たちは猛反発。側室受諾の回答までの猶予は一ヶ月。周りは海と断崖。監視は万全。追い詰められた藩士は一致団結して地下からの脱出を企てる。


表紙には"The Grate Escape of 1858"のタイトルが添えられる。
あの名作映画「大脱走」を江戸時代に置き換えるとこうなるわけだ。
この小説は一気に読むべきだと思う。細切れではスピード感が味わえない。
51人の藩士たちの論争の緊張感も、目的に向かう一体感も楽しめない。
そして最後に仕掛けられた「おおお!」というオチ。
すべて一気に読んでこそ楽しめるというものだ。

五十嵐貴久の「xxxx年のxx」シリーズは面白い!心して読むべし。



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