「チーム - Pick-up Team -」(堂場瞬一)

a0006144_1513270.jpg誰のために、何を背負って、俺たちは襷をつなぐのか――。母校代表としての箱根駅伝出場を逃した「敗れた強者」たちで構成される、<学連選抜>チームが挑む二日間、東京~箱根間往復217.9kmの苦闘と激走を描く! 俊英が迫真の筆致で書き下ろした、入魂の長編駅伝小説!



作品中では青山学院が久々の出場との設定。作者のプロフィールを見たら青山学院の出身だった。
作品中だけでも母校を出場させたかったのだろうか。
この本の発売直後の箱根駅伝の予選会で、青山学院大学が33年ぶりの出場を決める。
出場が現実になるとは、作者も驚いているかもしれない。

箱根駅伝を題材にした小説といえば「強奪・箱根駅伝」(安東能明)がある。
誘拐事件を軸にしたミステリで、主人公は神奈川大の選手。
中継を行うテレビ局の様子や大会運営の裏面が描かれ、ミステリ以外の部分もすごく充実していて
面白かった。

この作品「チーム」は純粋にスポーツ小説だ。
主人公は学連選抜のメンバーに選ばれたランナー。
この表紙が気に入りました。
違うユニフォームの選手にタスキが渡ったところ。
これは学連選抜以外にはありえないシーンだ。

塀内夏子のマンガ「ROAD〜輝ける道〜」では、架空の大学生駅伝で学連選抜が優勝するドラマを描いている。
現実には今年の箱根駅伝で、学連選抜が総合4位を獲得した。
学連選抜メンバーの中に青山学院大の選手がいたことが、この作品を書くきっかけになったかもしれない。
あくまで私の勝手な想像だが。

ともあれ秀逸な作品。走ることのスピード感、爽快感、苦しさ。
陸上競技の底知れぬ楽しさが鮮やかに描かれている。
ローカルスポーツである駅伝の不思議な魅力が行間からあふれ出している。
選手たちのキャラクターは誰も皆、素晴らしい。
特筆すべきは天才ランナーの山城だ。
彼のキャラクターの際立ちが無かったら、この作品の価値は半減したと思う。


ああ、来年の正月もまた、箱根駅伝を見てしまうんだろうなぁ。
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