「田村はまだか」(朝倉かすみ)  

a0006144_073352.jpg深夜のバー。小学校のクラス会の三次会。四十歳になる男女五人が友を待つ。大雪で列車が遅れ、クラス会同窓会に参加できなかった「田村」を待つ。「田村」は小学校での「有名人」だった。有名人といっても人気者という意味ではない。その年にしてすでに「孤高」の存在であった。貧乏な家庭に育ち、小学生にして、すでに大人のような風格があった。

そんな「田村」を待つ各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たち。今の自分がこのような人間になったのは、誰の影響なのだろう----。四十歳になった彼らは、自問自答する。それにつけても田村はまだか? 来いよ、田村。
酔いつぶれるメンバーが出るなか、彼らはひたすら田村を待ち続ける。そして......。

自分の人生、持て余し気味な世代の冬の一夜を、軽快な文体で描きながらも、ラストには怒濤の感動が待ち受ける傑作の誕生。


ああ、なんだか久しぶりに良い小説を読んだ気がする。
田村を待つ同級生たちと一緒に、バーで飲んでる気分にさせられた。
いろんな人生経験をしてきた登場人物が愛おしくなる。
そして彼らと田村を応援したくなってくる。
こんな素敵な小説を書いてくれた朝倉かすみさんに感謝。
[PR]