終戦の日に

終戦の日になると、武田泰淳の「ひかりごけ」という小説を思い出す。
戦争という極限状況が背景の小説だから連想するのだろう。

この小説のことを教えてくれたのは、高校の現代国語の先生だった。
人肉食という題材で、人間の原罪と人が人を裁くことの不条理を描いている。

人肉を食べた者は、首の後ろがひかりごけのように光るというのだ。
しかし同じ罪を犯した者にはそれが見えない。
終盤で主人公は己の罪を告白し、裁判官たちに首の後ろが光っているのが
見えるだろうと問いかける。しかし誰もその光が見えないのだ。

高校生の自分には、かなり強烈な読書紹介だった。
この先生、他には安部公房も教えてくれた。「砂の女」「壁」などを語って
くれたと記憶してる。私の読書に大いなる影響を与えてくれた、尊敬する
先生なのである。

ちなみに現実の「ひかりごけ事件」はこちらに詳しい記述あり。

最近の文庫は陳腐なカバーになっているが、高校生のときに購入した
新潮文庫はこのカバーだった。
a0006144_2214419.jpg
[PR]