陰摩羅鬼の瑕

a0006144_12447.jpg京極堂シリーズの新作「陰摩羅鬼の瑕」をやっと読みました。

舞台は白樺湖湖畔の”鳥の城”と呼ばれる豪邸。当主である由良昂允は元伯爵家の後継者。儒者であり博物学者である父親に館の中だけで育てられて外界と接触することなく成人した。昂允は過去四回の婚礼の直後、花嫁が何者かに殺害されている。
五十歳を越えた伯爵が五度目の婚礼を迎えようとしたとき、花嫁警護に探偵榎木津礼次郎が依頼される。急な病のために視力を失った榎木津の面倒を見るために小説家関口巽も付き添いで来た。伯爵の人物に感動し、花嫁薫子の健気さに同情を感じた関口は、花嫁を守ろうと決意する。
伯爵の書斎に置かれた、禍々しい黒い巨大な鶴の剥製。まさしく関口の不安は的中する。


これは犯人だとかトリックを論じる小説ではないと思う。
ここに描かれた死は、殺人であって殺人でない。犯行であって犯行ではない。
引っぱりに引っぱって最後に登場する京極堂の解を、カタルシスを持って受け止められるかどうかだ。
私は十分に堪能させてもらった。
[PR]
by minami18th | 2004-06-05 12:05 | 砂に足跡