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「噂」( 荻原浩・新潮文庫)

a0006144_20122853.jpg「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。影も形もないわりに影響力や伝播力の大きい『噂』。それをビジネスツールとして利用しようとする女性社長。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットする。しかし、噂であったはずのレインマンが現実化し、女子高生が殺されるという事件が起こる。稀代のストーリーテラー荻原浩が描くサイコサスペンス。

ベテラン刑事・小暮と、本庁勤務の若手女性警部補・名島のコンビがいいですね。小暮と一人娘・菜摘とのやりとりもいい。ストーリーの中心になるこの刑事二人はとても魅力的です。この二人の行く末もほんのりと匂わせてくれてます。文章は読みやすいし、今時の若者の風俗も違和感なく読ませてくれます。

そして何より最後の一行。ここに大きなサプライズ!!
最後の数ページが無くても十分に傑作なのですが、やっぱりこれは必要なんだろうなぁ。
作者はこれをやりたくて、この作品を書いたのかもしれません。
「最後の一撃」。久々に味わわせていただきました。傑作をごちそうさま。
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by minami18th | 2006-07-06 20:24 | 砂に足跡