「百万の手」(畠中恵)

a0006144_16254973.jpg音村夏貴は時々過呼吸の発作に見舞われる中学生。親友正哉の家が火事になり、彼が焼死した。両親を助けようと夏貴の目の前で燃えさかる火のなかに飛び込んでいったのだ。不審火だった。嘆き悲しむ夏貴の耳に親友の声が聞こえてきた。彼の遺した携帯から。そして画面には死んだはずの彼の顔が…。不審火の真相を調べてほしいと彼は言う。家のなかに火の気はなかったし、消火活動も終盤に近づいて、なお激しく燃え上がった不可解な火事だった。放火なのか?なぜ正哉と彼の両親は死ななければならなかったのか?携帯から語りかける友人との二人三脚で、夏貴が探り出した驚愕の真相は…?

いわゆる本格ミステリではありません。しかし一読の価値はあり。テンポがよく、一気に読めます。中盤以降で明らかになってゆくメインのテーマは、我々が真剣に考えなくてはいけないものなのでしょう。人間が踏み込んでゆくべき領域というのは、どこまで許されるのか。それを考えるだけでも、この作品を読む価値はあると思います。
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by minami18th | 2006-06-26 16:22 | 砂に足跡