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「交渉人」(五十嵐貴久)

a0006144_20282240.jpg交渉人。人質を取って立て篭もった犯人たちと交渉を行い、人質を安全に救出すると共に犯人逮捕を果たす。アメリカなどでは確立されているが、日本ではスタートしたばかり。本作に登場するネゴシエーターは、警視庁特殊捜査班に所属する石田警視正という、日本の第一人者だ。
発端は、コンビニ強盗3人組が私立総合病院に逃げ込み、患者・医師・看護師たちを人質に立て篭もったというもの。そして本作の主人公となるのは、2年前養成研修で抜群の成績を残したが石田との不倫を中傷され、経理課に左遷されたキャリア・遠野麻衣子警部、29歳。事件発生を受け、石田到着までの間の現場指揮に駆り出される。

救急病院の患者を人質に立てこもる三人組。対する警視庁は500人体制で周囲を固めた。そして犯人グループとの駆け引きは特殊捜査班のエース、アメリカFBI仕込みの凄腕交渉人!思い通りに犯人を誘導し、懐柔してゆく手腕が冴え渡る。解決間近と思われた事件だが、現金受け渡しの時から何かが狂う。どこで間違ったのか。彼らは何者なのか…。

前半はネゴシエーターの交渉ぶりが描かれる。石田の交渉テクニックを主人公がフォロー。そして素人発言を繰り返す参事官がそれにからむ。石田の予想どおり犯人たちとの交渉は進んでゆくが、後半に入り事件は驚くべき展開を見せる。

これはおすすめ。サスペンス小説としてとても面白い。「あれ?変だな」と感じた箇所は、まさにストーリーの肝となる箇所だった。瑕疵といえば言えるんだろうが、作品の価値を下げるものではない。作者はあえて晒したのかもしれないし。一気読みすべき作品ですね。
この人の作品に登場する女性だが、なぜか篠原涼子に脳内変換してしまう。前に読んだ「TVJ」もそうだった。「アンフェア」見てたせいではないのだが。
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by minami18th | 2006-04-22 00:17 | 砂に足跡