繋がれた明日(真保裕一)

a0006144_12562795.jpg主人公隆太は、彼の恋人にからむ男と喧嘩になり、護身用に持っていたナイフで相手を殺してしまうい、懲役5年から7年の実刑判決を受ける。6年で仮釈放となり、保護司の努力で就職先も決まった。ところが、その職場や近所に顔写真入りで「この人は人殺しです」というビラがまかれる。

主人公の隆太は一貫して弱い男として描かれる。未熟な人間が周囲の人の悪意や善意を感じつつ成長を見せてゆく。そして加害者の苦悩、被害者家族の苦悩がきちんと描かれる。加害者(となってしまった男)の側が主人公なので、どうしても彼に感情移入してしまうが、妙なお涙ちょうだい的な話にはならない。作者も意図してのことなのだろう。

でも最後はやっぱり、うるうるうるっとしてしまった。読み出したら一気。読んで損はない傑作だと思います。
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by minami18th | 2006-02-12 13:02 | 砂に足跡