「予告探偵 西郷家の謎」(太田忠司)

a0006144_22573615.jpg罪ある者は心せよ。すべての事件の謎は我が解く——。戦火の記憶がまだ色濃く残る1950年。恐怖と荒廃がもたらした傷と、復興を告げる槌音とが混じり合っていた時代。その喧噪から隔絶されて、鬱蒼と繁る森の中にひっそりと佇む一軒の旧い屋敷——ユーカリ荘に届けられたのは、犯行予告ならぬ“解決予告”だった——!? 由緒ある旧家、錯綜する人間関係、そして奇怪な殺人!挑むは予告探偵・魔神尊! 太田忠司が仕掛けた“難攻不落のトリック”に、あなたも“必ず騙される”のか!?


本格の王道をゆく作品ですね。
三百年続いた旧家。事故で死んだ天才芸術家姉妹。令嬢と婚約者候補。捜査官と旧知の不遜な探偵。そして殺人事件発生。
こりゃ本格以外の何物でもありません。

「読み終わったら気持ちよく壁に叩き付けてもらえる本を目指した」って作者は言ってるらしい。
叩き付ける人はいるかもしれないが、私の場合は脱帽した。ここまで鮮やかにやられたらねぇ。

読み始めて、ある箇所で手が止まった。
「あれ?変だな。これ、おかしいな?」
まさにそこがこの作品のキモになってました。
気がつきはしたけれど、そういう使い方をしてくるとは。

伏線に気付いても、作者の意図まではたどりつけないでしょうね。
この作品は、作者の手の中で楽しむのがいいのです。
壁本か、納得の一品か。それは読み手しだいです。
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by minami18th | 2006-01-14 22:58 | 砂に足跡