百器徒然袋──雨(京極夏彦)

a0006144_9455957.jpgなんでもっと早く読んでおかなかったのだろう。探偵榎木津礼二郎が大活躍の短編集だ。いや、この長さなら中篇集と言うべきか。前提として京極堂モノの長編を2つか3つは読んでないと、登場人物の行動が理解できないかもしれませんね。ここに出てくる連中のキャラクターは尋常ではない。長編の京極ワールドに足を踏み入れて、免疫を作っておかないと具合が悪くなるかもしれません。

愉快な設定。痛快な解決。「下僕」の脇役たちは長編よりキャラが立ってるようにも思えました。


【鳴釜(なるかま)】
「私」の親戚の娘が奉公先の息子とその一味に輪姦され、子供まで身ごもってしまった。
悪党退治のために榎木津が仕掛けたトラップとは。
榎木津が赤ちゃんを可愛がる様子が何とも微笑ましい。
終盤に登場する国会議員令嬢の美弥子さん、カッコいいです。

【瓶長(びんちょう)】亀(カメ)を探す薔薇十字団。同時並行で瓶(かめ)も探す羽目になる。榎木津の大暴れと京極堂の落としが楽しい。しかし榎木津の父親というのは、榎木津以上の変な奴だ。

【山颪(やまおろし)】亀を見つけたと思ったら今度は山嵐の捜索である。
「山嵐は刺があるからえらい!」ってのは榎木津のセリフ。そうか、そういうものなのか。
仕掛けはしっかり効いている。謎の美食倶楽部に乗り込んだ面々の活躍は十分楽しめる。
山嵐との関係は読んでのお楽しみ。


なんでもっと早く読んでおかなかったのだろう。
京極堂シリーズの、すっごい楽しいサイドストーリーなのに。

なんでもっと早く読んでおかなかったのだろう。
「このバカオロカが!!」と榎木津に罵倒されそうだなぁ。
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by minami18th | 2005-11-21 09:56 | 砂に足跡