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「容疑者Xの献身」(東野圭吾)

a0006144_2103213.jpg弁当屋に勤める靖子は、別れた夫に家に押し掛けられ、はからずも娘と協力するような形で元夫を殺してしまう。自首しようとする靖子に、様子を察した隣の部屋に住む高校の数学教師・石神が声をかけてきた。
「自首するのなら止めないが、そうでないのなら協力する。」

すごいです。他に言葉がありません。犯人側と捜査側の両方で語られる、倒叙ものの作品です。しかし犯人の行動は終章まで明かされないので、犯人がどのようなトリックを仕掛けたかは最後のお楽しみ。

これはミステリですが、恋愛小説の範疇に入ってもいいですね。せつないラストですが、ほのかに光を感じました。これをハッピーエンドと解釈する読み手は少なくないはずです。度肝を抜くトリックと最後に見せる犯人の慟哭。数学教師・石神の造形がすばらしい。

今年のミステリのベストワンになる可能性が大きい作品です。
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by minami18th | 2005-10-24 02:24 | 砂に足跡