「八月のクリスマス」

a0006144_21165344.jpg主人公ジョンウォン(ハン・ソッキュ)は父親の跡を継いでソウルで小さな写真館を経営している。彼は不治の病を抱えており余命が限られているのだが、その事は彼と彼の家族だけが知っている。彼はそんな状況でも、写真館の仕事ややもめの父親との家事をこなし、笑顔を絶やさず穏やかな毎日を送っている。ある夏の日、駐車違反取り締まり員のタリム(シム・ウナ)が違反車の写真を拡大して欲しい、とやってくる。その日からふたりはほとんど毎日のように町中で偶然、もしくは写真館にタリムがやって来るという形で会うようになる。季節が夏から秋へと変わり、遊園地で初めてデートをしたのを最後に、ジョンウォンは写真館から姿を消す。

主人公の男性は不治の病に犯されており、死期が迫っている。どんな病気かはよく分からないし、彼が病気で悩む様子もさほど描かれていない。友人の葬式が最初に描かれたり、葬式の写真を撮ってもらうおばあさんが登場することで、さりげなく死について意識させられる。特におばあさんのエピソードが印象に残った。

主人公の病気については極力押さえて見せる演出の意図があるのだろう。夏から秋にかけての3ヵ月ぐらいの間に、お互いが引かれていく様子を、じっと暖かく見守っているような映画である。

「八月のクリスマス」の題意は不明。この余命いくばくもない男性にとって、8月に出会った彼女との淡い恋がクリスマスプレゼントだったとの解釈にしておきましょう。
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by minami18th | 2005-09-19 21:27 | 砂に足跡