「ほっ」と。キャンペーン

「ミッキーマウスの憂鬱」松岡圭祐

a0006144_2284294.jpg後藤大輔は21歳のフリーターだ。夢のある仕事につきたいと、「東京ディズニーランド」のキャストに応募。まっすぐな性格だがおっちょこちょい。採用テストでも大失敗を演じてしまう。
当然不採用と思ったが、深刻な人手不足のおかげで採用になる。要は誰でもよかったらしい。しかし人前に出る仕事には向かないと判断され、美装部という部署に準社員(アルバイト)として採用され、パレードのクルーの着替えを手伝う仕事につく。

表通りを歩いて移動することは不可。別の部署の仕事に口を出すことも不可。制約だらけの環境にとまどう。理不尽な状況に怒り、嫌気の差し始めていた最中、ミッキーマウスの着ぐるみが消えてしまうという事件が起こって大騒ぎとなる。

美装部の女性の責任を問う正社員。かばうアルバイトたち。企業内部に不穏な空気が立ちこめ、夢と魔法の国らしからぬ雰囲気となる。パレードクルーとショークルーの間の激しい敵対意識に翻弄される後藤くん。夢の王国の裏には厳しい現実があったのだ。


ここに描かれてる「東京ディズニーランド」は、あくまで架空のものという設定。とはいうものの、やはり我々が知ってる「東京ディズニーランド」です。でなければ成立しない話です。

「夢と魔法の国の裏側を、ここまで書いちゃっていいの?」というのが正直な印象です。

でもまあ、それはそれ。
ほんのりとミステリーテイストを香らせた青春小説として、楽しく読めました。
単純といえば単純な話だが、クライマックスの一撃が、さわやかな読後感を与えてくれます。

主人公の後藤くん、先輩の尾野さん、中の人の久川さん。その他みんな素敵な人たちです。
この小説自体も「夢と魔法の国」なのかもしれません。
[PR]
by minami18th | 2005-07-19 23:10 | 砂に足跡