小麦というものの正体 ②

――小麦というものの正体 ②――

▶ 今の小麦が持つ『スーパー糖質』の恐ろしさ

現代のパンコムギの小麦粉は、平均でその重量の70%が炭水化物、10%がたんぱく質、15%が消化しにくい食物繊維、わずか残りが脂質です。(興味深いことに、古代小麦の方がたんぱく質の割合が高く、フタツブコムギの場合は28%がたんぱく質です)

そして小麦の含まれる複合糖質の75%はアミロペクチン、25%がアミロースです。そのうち、

アミロペクチンにもA,B,Cと種類がありますが、その中で小麦に最も含有量が多く、一番問題視されているのが、アミロペクチンA-。 
最も消化されやすい構造で、血糖値を劇的に押し上げます。

Davis氏曰く、全粒粉パンを二枚食べる方が、角砂糖16個分の入った炭酸飲料を一缶飲んだり、チョコレートのお菓子スニッカーズを一本食べたりするより、血糖値の上がり方はひどいと Σ(゚д゚;)

事実、精白パンのGIは69、全粒粉パンは72だったのに対し、砂糖は59でした。 

ですから、”体にいい”と信じられている全粒粉パンを毎日食べているとどうなるか――。 

5~10年後にはりっぱなWheat Belly(小麦腹) の出来上がりです。

アメリカでは、腹部がせり出してベルトも見えないような、小麦腹(日本ではビール腹か?)の人が確かにいっぱい(汗)

なぜアミロペクチンAが、体の他の部分でなく、腹部の奥深くに内臓脂肪を蓄えるのかはまだ分かっていません。

ともあれ、小麦腹はインスリン”抵抗性”にも結び付いているため、小麦腹が大きければ大きいほど、インスリンに対する”効き”が悪くなります。 効きが悪いと、もっとインスリン量を要求するようになり、糖尿病を引き起こします。 男性の場合は、小麦腹が大きいと、脂肪組織から女性ホルモンのエストロゲンの分泌が増えて、胸が膨らみます。(いわゆるお相撲さんの胸のような) また、小麦腹が大きければ炎症反応も多くなり、それはやがて恐ろしい心臓病やガンへとつながっていきます。

▶ グルテンというものについて

小麦に含まれる『グルテン』というたんぱく質―― これこそが、小麦を小麦らしくしています。 グルテンがあるから、パン屋さんやピザ屋さんは、生地を伸ばしたり、捏ねたり出来ますし、他の粉モノでは決して代替え出来ません。  ちなみにグルテンは、古代コムギには含有量が少なく、遺伝子操作が大量に行われた現代コムギに最も含まれています。

グルテンは、グリアジンとグルテニンという二つのたんぱく質で構成されています。

そのうち、グルテニンは、このようにパン生地を伸ばしたり粘着性をもたらすものです。

一方でグリアジンは、胃の中でポリペプチド混合物に分解されます。 このポリペプチドは、血液と脳とを隔てる血液脳関門というバリアーをやすやすと通過する特殊な性質を持っていることが分かりました。
脳に入り込んだ小麦ポリペプチドは、脳のモルヒネ受容体と結びつきます。 これは、アヘンと結びつく受容体と同じものです。 そうすると、脳が強烈な快感を覚えます。 そして脳が、この快感が続くように、もっと食べろと指令します。

これらのことから何が分かるか――。 

『小麦は、ドラッグと同様の依存症を引き起こす』 

そしてその依存性ゆえ、

『小麦は食欲増進剤である』

これが、多くの人が、小麦食品をやめられない、またついつい食べ過ぎてしまうゆえんです。

実際、小麦を断った人たちの一日カロリー摂取量は、そうでない人に比べて、400kcalも低くなったというデータがあります。

ところで、60年代のスーパーマーケットを見てみると、小麦が含まれている製品と言えば、せいぜいパン、マフィン、そしてケーキぐらいでした。 それが、今この現在ではどうでしょう。スーパーを見渡しても、小麦の入っていない製品が・・・ほとんどないのです。
ドレッシング、スープ、冷凍食品、ソース、お菓子のキャンディに至るまでーー。 これは、ただの偶然ではないだろうと、Davis氏は言います。 誰か頭のいい科学者が、小麦が食欲増進剤であることを知っていて、売り上げを上げるためにあらゆるものに入れていったのだ、と考えるのが妥当である、と。

これでは、セリアック病(グルテンによって免疫反応が引き起こされ、小腸の炎症を起こして腹痛や下痢が続く病気)や小麦アレルギーの人たちは、さぞかし大変でしょう。

いやそうでなくても、我々正常な人間だって、勝手に食欲を増進させられているなんて、ひどい話です。

最後にDavis氏は、これは、現代小麦が市場すべてを支配している以上、そのパンがたとえ有機栽培であれ、全粒粉であれ、発芽されているものであれーーーこの原料である現代小麦の生物学的構造がこうなっている以上、これらの害を逃れ得るものは一つもないのだ、と言います。

そういう意味では、そこらへんの精白パンを食べても、パン屋さんに売っているような高級全粒粉パンを買って食べても、同じことである、と。 (ビタミンや食物繊維が加わっていることは多少いいことには違いないが)

これは、多くの人、特に今まで健康に留意してきたつもりの人にとって、大変な悲報です。(/TДT)/

また彼は、だからといって、今アメリカの食品業界で次々と売り出されている『グルテンフリー食品』に飛びつくのは、ナンセンスであると言います。

元々のグルテンフリー食品(肉とか野菜とか卵とか)だと全然いいのですが、無理やり作られた食品(グルテンフリークッキー、グルテンフリーパンケーキなど)だと、結局は材料に小麦粉以外の粉モノ(米粉、ココナッツ粉、大豆粉、片栗粉、タピオカ粉など)を使っているだけで、血糖値を上げることには変わりない。 しかも、他の〇〇フリー食品の例にもれず、小麦粉を使えない分を他の変な添加物で補っていることが多い、と。 私も確かにそう思います。

だから、結局彼は何が言いたいかというと、

『あきらめろ』

ということですね。  チーン

しかし、小麦をあきらめるということは、多くの人にとって歯を麻酔剤なしで抜くのと同じぐらい、いや、ある人にとっては”死を宣告されるに等しいほど”実際辛い。

私の場合は、潔く諦めましたが、そういう人はどうしたらいいのでしょうか。 

続きます。
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