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「サッカーがやってきた/ザスパ草津という実験」(辻谷 秋人)

a0006144_21592488.jpgめったに手にしない新書である。(NHK生活人新書)
単にザスパを褒め称える内容ではないことに、好感を感じつつ読み進んだ。
ザスパ草津というサッカーのクラブの生まれた意義について、しっかりと踏み込んでいる。冷静に第三者の視点での淡々と記された事実は、まことに読み応えがある。

さらにJリーグの理念である「地域密着」と「百年構想」についても言及。アルビレックス新潟の成功と、愛媛FCの目指すクラブ構想も語られている。

著者の行なった綿密な取材には驚かされた。スポーツドキュメントはこうでなくてはいけない。
サッカー好きはもちろん、サッカーに興味がなかった人も読むべき本だと思う。日本のサッカーだけでなく、スポーツ文化について、考えを新たにすることは間違いない。

かつて鹿嶋アントラーズの中心選手だった奥野が、いかに高邁な理想を持ってザスパを築いたのか。ベルマーレ平塚に在籍し、代表GKもつとめた小島伸幸がなぜザスパに来たのか。
愛媛FCの友近という選手が、何を目指しているのか。(感動して、深くにもウルっときてしまった)
知らないことがいっぱいだった。
代表だけがサッカーではない。J1だけがサッカーではない。こういう人たちがスポーツ文化を支えているのだ。

プロ野球や大相撲が成しえなかった、スポーツ文化の地域への定着は、Jリーグを核に着々と進もうとしている。大都市よりも地方都市から花が咲いてゆくのだろう。後世の人々は、その嚆矢として、新潟や草津や愛媛のことを語るに違いない。

(画像には帯が付いてないが、この本の帯の写真は、草津町にあるザスパのグラウンドだ。ぜひ一度行ってみたくなる、素敵なピッチを見ることができる)
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by minami18th | 2005-04-15 22:03 | 砂に足跡