「鬼に捧げる夜想曲」

a0006144_2350393.jpg【第14回鮎川哲也賞受賞作】
昭和21年3月17日。乙文明は九州大分の沖合に浮かぶ満月島を目指して船中にあった。
明日は若き網元の当主たる友人、神坂将吾の祝言なのだ。相手は寺の住職三科光善の養女優子。
祝言は午後7時に始まり、午前1時から山頂に建つ寺で浄めの儀式があるという。
翌早朝、神坂家に急を告げる和尚。駆けつけた乙文が境内の祈祷所で見たものは、惨たらしく朱に染まった花嫁花婿の姿であった……。
この事件に挑むのは、大分県警察部の兵堂善次郎警部補、そして名探偵藤枝孝之助。
藤枝が指摘する驚愕のからくりとは? 





鮎川賞史上最年少、20歳の神津慶次朗(かみづ・けいじろう)の作品。
横溝正史の岡山ものの雰囲気です。綾辻の館もののテイストもほんのり。
京極の匂いもします。執筆時点では作者は十代だったのですね。(すげぇ)

真相を看破する探偵役の出方が不自然な気がしないでもないです。でも十分に楽しめます。
殺害に関するトリックは秀逸です。そのシーンが鮮やかに目に浮かぶほどです。
最後の一章は不要だと思います。推理の補強のための追加だとしたら、もっと上手なやり方があったように思えます。

作者の「神津」という名前は本名なのでしょうか?
ペンネームだとしたら、偉大なる「神津」の名は使わないでほしいのですが。
せめて「松下」で。
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by minami18th | 2004-11-15 00:17 | 砂に足跡