松本復興相「助けない」発言 被災地激怒

<東日本大震災>松本復興相「助けない」発言 被災地激怒

「家を失った被災者の気持ちも知らないで」「大臣とは、そんなに偉いのか」。宮城、岩手両県知事に対する松本龍復興担当相の態度や発言を巡り、両県内では4日、一斉に反発する声が上がった。両県庁にも苦情電話やメールが殺到し、松本氏は復興担当相就任後初の両県訪問で、いきなり被災者の感情を逆なでした形だ。

【東日本大震災による宮城県の被害状況(7/4現在)】
 死者:9,200名
 行方不明者:4,617名
 家屋全壊:66,245棟
 避難者数:15,405名



 ■宮 城 

 県によると、4日朝から松本氏の発言への苦情が殺到し、午後4時までに県庁への電話は175件、メールは57件に上った。

 3日に県庁を訪れた松本氏は面会時間の午後2時15分前、4階の応接室に案内された。村井嘉浩知事がいないことに不満そうな態度を示し「(自分なら)立ってお迎えするよ」と同行した職員にささやいた。数分後、村井知事が「どうも」と笑顔で入室し握手を求めようとすると、松本氏は不機嫌な表情を浮かべ「握手は終わってから」と拒否。自衛隊出身の知事に「お客さんが入ってくる時は、自分が入ってからお客さんを呼べ。自衛隊ならそんなことやるぞ」と言った。

 会談での松本氏の発言に、石巻市内の仮設住宅に次男と入居する無職女性(58)は「家を失った被災者の気持ちも知らないで、ばかにされたような気持ちだ。何様のつもりなのか」。6月中旬に営業を再開した同市のそば店「もりや」経営、森俊男さん(74)は「みんな一生懸命やっているのに乱暴な言い方だ。大臣とは、そんなに偉いのか」と話した。

 松本氏の後から応接室に入ったことに村井知事は4日の会見で定時に入室したと強調。「今後は松本大臣が来るときは松本大臣バージョンの対応にする」と述べた。

 ■岩 手 

 宮城の前に岩手入りした松本氏は3日午前11時ごろ、岩手県庁の玄関前に姿を見せた。衛藤征士郎衆院副議長からもらったという「がんばれ東日本」と書かれたサッカーボールを持参し、達増拓也知事に向けて蹴ったり投げたりしたが、知事は2度とも取り損ねた。

 会談では仮設住宅の話をしていた知事の話を遮り「いや、本当はね、仮設住宅はあなたたち(県)の仕事だから」などと言ったり、「おれなんか、ちゃんとアイデア持ってるだろう」などと自慢げに語る場面もあった。

 仮設住宅の抽選に当たらず、避難所暮らしを続ける陸前高田市の吉田信夫さん(71)は4日、「励ましてくれるならいいが、高いところから見下ろすような格好だと反感もらうな」と話した。県庁には同日午後5時までに「宮城県とともに抗議すべきだ」といった電話など18件が寄せられたという。…

ただ松本氏が「弟みたいなもの」という宮古市の山本正徳市長は会見で「頑張れ、頑張れということだろう。あまり言葉にとらわれずに(受け止めたほうがいい)。気にしていない」と理解を示した。
[PR]