日本が輸出禁止出来る資源
こういうカードを持っているからこそ、外交が大事になってくるのだな。
日本の持つ電子プリント基板特許の輸出を止めると、止められた国の大部分の兵器が使用不可能になる。つまり戦闘機も、ミサイルも、戦艦も、戦車も動かなくなるわけだ。
日本にしか製造出来ない1m当たり80tの荷重に耐え得る鉄道用レールの輸出を止めると、世界の物流の要である鉄道機能が崩壊する。当然新幹線の導入も不可能になる。中国の鉄鋼生産技術で生産された粗鋼は、現在、国際市場では「クズ鉄」として取引されている。購入した国が再度、精錬し直さなければ、使い物にならないからだ。中国は、今後、国内を縦横に走る大鉄道網の建設を準備しているが、日本が鉄道用のレールを「売るかどうかは、日本の自由」である。
レアアースを中国が日本に売るかどうかが、中国の自由であったように。
日本の小松製作所にしか製造出来ない小型のパワーシャベル、ブルドーザーの輸出を止めると、ターゲットにされた国の全ての資源開発・工場等の建設工事・軍事施設の建設が不可能になる。高性能の日本製パワーシャベル、ブルドーザーを、今後、売るかどうか、現在、中国を始めとした各国が使用しているパワーシャベル、ブルドーザーの、メンテナンスに応じるかどうかは、日本の「自由」である。
なお、日本にしか製造出来ない、ステルス戦闘機用のステルス機能を持つ塗料の輸出を止めると、米軍の戦略の要であるステルス戦闘爆撃機の製造が不可能になる。中国軍も、このステルス機能を渇望している。戦闘機・核ミサイル用の、ジェット燃料を、世界中で圧倒的に生産量の少ない軽質油から製造する技術は世界各国が持っている。
一方で、質の悪い、圧倒的に生産量の多い重質油からジェット燃料を製造する技術は日本しか持っていない。日本が重質油原料のジェット燃料の輸出・製造を止めると、世界中で航空機・戦闘機・核ミサイル用の燃料が圧倒的に不足する。
燃料が無ければ、最新兵器の軍備は、単なる鉄クズの集積になる。